朝 目を覚ますと
朝 目を覚ますとブラインドの隙間から
外の乾いた光が入り込む
窓ガラスの内側についた雫
部屋の中の身体気象が亜熱帯状態を作り出している
少し身体が季節に遅れているようだ
嬉しいような物悲しいような気持ちになる
ぽとぽと雫の落ちるコーヒーが出来上がるまでの間
上着を着て庭へ出てみる事にする
ガラスの扉を開けると
部屋から二酸化炭素が吐き出され
肌に澄んだ朝の空気が入ってくる
呼吸をすると
今度はまばゆい光の雫が脳細胞にポタリポタリ
妙な高揚感はこの森のオゾンのせいなのかも
ぴんと張った空気に手をかざすと
いつのまにか森の妖精が
両手のひらにすっぽり収まっている
人間のような形をしているけれど
それとはまた違った存在
エゴンシーレの絵のような感じ
とでも言えばいいのだろうか
人間の身体に昆虫のような羽根
魔法の粉がキラキラ光っている
まさに森のありとあらゆる生き物の精が
具現化したような存在感
一日の始まりに
新しい朝を吸い込んでみると
森の呼吸のメッセージが
そっと届いた